安全への取組み~安全スローガン~
安全スローガン
平成31年2月度安全スローガン
2019-02-01
平成31年2月度安全スローガン
『危険を発見して安全な現場を作る「KY活動」のポイント』
今月も労働災害防止に関するテーマです。
日本全体の労働災害でなくなる方のうち、3分の1が建設業界とも言われます。
建設現場での労働災害対策はいろいろあり、先月のヒューマンエラー対策も
その内の一つです。
またそのエラーを防御する策として、安全衛生教育やヒヤリハット報告など
色々ありますが、今月はKY活動に焦点を当て、KY活動の具体的な方法や
上手な行い方を紹介します。
◎KY活動とは
KY活動とは、危険予知(K:キケン Y:ヨチ)活動のこと。
工事現場の危険を予知し、労働災害を未然に防ぐために行われるものです。
・現場にどのような危険が存在するか知る
・危険をどのように回避するかを知り、対策を講じること
・その対策をどのように実現するか
・労災について知り、安全意識を高める など
これらを認識、意識することで、安全な現場を作ろうという活動です。
◎KYK活動とKYT活動
KY活動には、
KYK(危険予知活動)と、KYT(危険予知訓練⇒T:トレーニング)があります。
・KYK(危険予知活動)
現場作業前に作業の危険性について話し合い、対策と行動目標を立てること
・KYT(危険予知訓練)
現場作業の前に、事前に研修室などで行い、危険を予測し指摘しあうもの
行う場所は違えど、どちらも安全な作業現場を作るには欠かせません。
◎KY活動の具体的な方法~「4ラウンド法」~
KY活動の具体的な方法として代表的なものに4ラウンド法があります。
4ラウンド法とは、現場や作業に潜む危険を、発見・把握・解決するための
基本的な手法です。KY活動への意欲を向上させるため、現場や作業について
「①現状把握」「②本質研究」「③対策樹立」「④目標設定」
4ステップを確認しながら行います。
①現状把握
現場や職場にどんな危険が潜んでいるか、従業員全員で共有します。
例》【危険因子】高所作業中足場から転落した
②本質研究
①で挙がった危険因子から重要なものを選び、その原因について話し合います。
この時、危険要素を書き出すと全員が理解しやすく、共有もしやすいでしょう。
例》【原因】安全帯を使用していなかった、足場の固定が不十分だった
③対策樹立
②で挙がった危険ポイントをどのように解決するかを話し合います。
この時、全員の意見を広く聞くことが大事です。
例》【対策】安全帯の使用徹底のため職長チェックをする
足場チェックシートを作り作業前に安全確認をする
④目標設定
③で挙がった解決策を具体的目標に落とし込み、重点実施項目にします。
実施項目は目標を達成できるよう、日々従業員同士で確認しあいましょう。
例》【目標】一か月間の安全帯チェック、
足場チェックシート確認の達成率100%にする
このうち、「③対策」「④目標」は、ハードルを上げすぎず、誰もが実行
できるものがよいでしょう。せっかく対策・目標を立てても、難易度が高く
手間がかかっては続けることはできません。
KY活動で最も重要なのは、作業員が現場にどんな危険が潜むかを認識し、
危険への対策方法を知ることで現場の安全を守ることにあるのです。
◎意見は全員から聞く
KY活動は複数で行うことが一般的です。
それは様々な人の意見や視点を共有するため。
複数人集まれば、一人では気づかなかったことにも気づき、視野を
広げることができます。
◎労災事例を参考にする
新人は現場の危険認知が不十分であることが多く、「現状把握」「本質研究」
を行ってもなかなか意見は出ないかもしれません。
そんな時は、過去の労災事例を参考にするとよいでしょう。
厚生労働省が運営する「職場のあんぜんサイト」には、原因別の労災事例が紹介
されています。
また、「ヒヤリ・ハット」経験より、対策を話し合うことも有効です。
◎熟練者の意見を取り入れる
KY活動を行うチームの中にベテラン作業員がいる場合は、その人の意見を
積極的に聞くのも有効です。
熟練者は豊富な経験から労災事例や危険に精通していることも多く、効果的な
対策や目標を立てることができます。
◎図やイラストを利用する
KY活動テーマになる作業中の図・イラストを活用してみましょう。
イラストがあることでイメージがしやすくなり、記憶にも残りやすくなります。
◎目標の振り返りを行い、次回に活かす
設定した目標は、日々実施することが必須ですが、一定期間過ぎた後には
その目標に対する振り返りを行いましょう。
「目標設定が難しくなかったか」「その目標は安全を守るために有効だったか」
など振り返りを行うことで対策や目標のブラッシュアップを行うことができ、
安全意識も高めることに繋がります。
労働災害は「自分は大丈夫だろう」「今まで大丈夫だから今回も大丈夫だろう」
という気の緩みから起きるものです。
いったん事故が起きてしまえば、巻込まれた人たちは体にダメージを負い、
その家族にも辛い思いをさせ、多くの人々に被害が及びます。
だからこそ、労働災害は万に一つでも起こしてはならないことだと考え、
KY活動を通して安全な現場を作っていく必要があるのです。